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2000年生まれのジジイによるゲームとゲームに関するプログラミングや電子工作がメインのブログです。過去記事などはこちら→https://melolololon.hatenablog.com/

【修理・保守】ゲームボーイ ポケット その2 ボタン不良ジャンパ修理編(DA1、DA2交換)

前回

melolololongame.hatenablog.com

 

 

ゲームボーイ修理の続きです。

 

前回のあらすじ

導電ゴム交換して端子清掃した。

Aボタンが反応しない。

ボタン信号が通過するICの周辺回路が腐食してた。

 

今回はその対応をします。

 

 

目次

 

 

反応しないボタンを修理する

ジャンパ修理

テスターでAボタンの回路の通電確認をしていると、カートリッジ近くのDA2の右下、そして、そこの近くのスルーホール(基板の裏表を繋ぐ回路)が繋がっていないことに気が付きました。

 

ちなみに、ゲームボーイポケットの回路図は以下で確認できます。

Gekkio様 ゲームボーイ回路図

github.com

 

見やすいやつはこちらです。

github.com

 

基板と回路図を見比べてみましょう。

AボタンとDA2の右下が繋がっていることがわかりますね。


ということで、回路を削り、エナメル線で繋ぎましょう。

最初はAWG28の導線で繋いだのですが、ネジが閉まりませんでした。

なので、絶対にエナメル線を購入しましょう。

 

さて、エナメル線を用意したら、端っこのエナメルを削るかはんだで溶かしましょう。

私はマイナスドライバーで削りました。

そういえば、最近はこの作業を学校の授業でやるんですかね?私は2000年生まれですが、エナメル線を削りました。

 

エナメル線を削ったら、DA2の右足とAボタンの回路を繋ぎましょう。

そのために、DA2とAボタンを繋ぐ回路を削ります。

DA2~スルーホールの回路はとても短く、どこが切断されているかも分からないので、Aボタン側のスルーホール付近を精密マイナスドライバーで削ります。

隣の回路を削らないように気を付けましょう。

 

削ったらフラックスを塗り、エナメル線をはんだ付けします。こちら側は簡単ですね。

 

面倒なのは逆側です。もし汚れていたら、無水エタノールを綿棒に染み込ませて拭きましょう。それでもダメであれば、歯ブラシで優しく磨きましょう。

←清掃前           清掃後→

 

綺麗になったら、フラックスを塗り、はんだ付けします。細かい作業になるので、ミスをしないように気を付けてください。

 

ちなみに、この回路断の原因は、電池端子が近いことから電解液漏れによる基板腐食じゃないかと言われています。知らんけど。

 

これで繋ぎ、直ったらおめでとうございます。

私は直りませんでした。

 

 

ダイオードアレイ交換

私の場合は腐食が進みすぎたのか、足が取れてしまいました。パッド(表面実装の足を乗せる部分)も剥がれてしまってますね。

(後から知ったんですが、元々足が脆いみたいです)

 

 

修理までの道のり

※ここから先は作業が進まないのにクソ長いので、興味がない方は次の項目までスキップしてください。

 

ということで、交換......。しかし、部品はあるのか......?

と、思ったんですが、以下をご覧ください。

https://www.reddit.com/r/Gameboy/comments/4q7lum/gameboy_pocket_schematics_trying_to_troubleshoot/?tl=ja

https://www.reddit.com/r/Gameboy/comments/1fekxqj/gameboy_pocket_dpad_left_side_issues/?tl=ja

 

このパーツはダイオードアレイと言って、1つのチップに4つの整流ダイオードが組み込まれているらしいです。

整流ダイオード自体は一般的な部品なので、直せる可能性があるということです。

 

調べてみると、DA1とDA2は、ボタン信号が別のボタン回路に流れないようにするための整流ダイオードらしいです。IC内に4個内蔵されているらしいです。

実際に回路を見てみると、IC経由でA、B、START、SELECTが繋がっているので、信ぴょう性はありそうです。

 

ちなみに、回路を追ってみたところ、A、B、START、SELECTの回路は、CPUの68番ピン(左側の上から4番目)に繋がっていました。

(見間違えだったらすみません。念のため、自ら確認することをオススメします)

 

それと、反対方面に追っていったところ、別のボタンの回路、そして、別のCPUのピンに繋がっていました。どのピンに繋がっているかは、ボタンによって違うみたいです。

 

仮に、ボタンが押されて流れてきた信号を、CPUの68番ピンで受け取っているとしましょう。

その場合、ダイオードの向きはボタン回路→CPU68番ピンということになります。

ボタン回路←CPU68番ピンでは、CPU以外に信号が流れてしまう可能性がありますからね。

 

この仮定が正解だとし、万が一逆にダイオードを取り付けた場合(ボタン回路←CPU68番ピン)は、Aボタンはダイオードを通過できず反応しない、Aボタンと別ボタンを同時押ししたらAボタンに別のボタンが流れ込んでくることになります。

つまり、Aは反応せず、同時押ししたら入力が狂う可能性があります。

 

 

もし、上記の仮定と逆の場合。

68番ピンに送るのではなく、68番ピンから送られてきていた場合。

 

ダイオードの向きをボタン回路→CPU68番ピンにしたら、当然ボタンは反応しません。

 

逆に、ボタン回路←CPU68番ピンとしたら、Aボタンが反応することになります。

 

 

ここまでをまとめると、2分の1の確率で直ります。(整流ダイオードの向きがボタン回路→CPU68番ピンか逆の2択)

仮に外れを引いたとしても、チョン押し程度であれば壊れるリスクは低いでしょう。

 

ということで、修理を。

と、その前に、整流ダイオードを入手しなければいけません。

 

そもそも整流ダイオードを使用するのが初めてなので色々調べてみたのですが、順電圧(降下電圧量)の値が決められているみたいです。

ゲームのボタン入力は電圧量によって認識されているので、電圧降下は誤入力の元になります。

平均順電流は耐電流的なものらしいので、大きくても問題ないらしいです。

 

ということで、調べてみて見つけたのがこちら。

akizukidenshi.com

 

順電圧が0.4Vと低いです。しかも、表面実装ではないため、導線を繋ぎ、スミチューブで絶縁すればOKとなります。これは楽ですね。

 

別のやつ。

www.sengoku.co.jp

 

今回は京セラの物を購入しました。送料が350円なので。

 

そして、注文後に知ったのですが、mouserとマルツオンラインにDA1、DA2の部品の代用品が売っているそうです。ちなみにマルツのネコポスが最安値です。

足が一本少ないですが、ゲームボーイポケットの回路図を見てみると、真ん中の足2本の部分は繋がっているので、片方だけでも問題ないと思われます。

 

FMN1T148 1個100円ちょっとです。

輸入することになるので、配達までに4日くらいかかります。

(無くしたり破損した時のために、3、4個くらい買っておくことをオススメします)

https://www.mouser.jp/ProductDetail/ROHM-Semiconductor/FMN1T148?qs=4kLU8WoGk0uxzqu9aOXWaA%3D%3D&srsltid=AfmBOorOT4ImvEfdpgzJ3HYyrlGeJc1gsqriHyrlYzGRbMAH_LMN1nYu

www.marutsu.co.jp

 

本当に同じ設計の代用品であれば、ボタン回路→CPU68番ピンの方向で合ってることになりますね。

整流ダイオードを購入してしまったのですが、このままICを放置しても腐食が進行してしまったら嫌なので、購入して試してみたいと思います。

 

ということで、購入しました。

豆粒みたいなサイズです。4.5mmくらいですね。

 

届くまでの間、基板側の準備をしていたのですが、若干状況が悪そうです。

フラックスを塗ってもなかなかはんだが乗りません。

秋月のMSOP基板に乗せることも視野に入れなければいけないかもしれないですね。

akizukidenshi.com

 

 

結局どうすればいいの?

長い話が続きましたが、まとめると、ICの足が折れたら代用品を買うか、整流ダイオードを増設し、ICをすっ飛ばせばいいという訳です。

 

4.5mmのICを扱えるかどうか、反応しないボタンの多さを考慮してどちらにするかをお選びください。

 

 

IC使用

本記事ではこちらの方法で修理しました。

 

以下の商品が代用品です。

見た目を修理前に近い状態にしたい方は、こちらを購入して試してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、マルツのネコポスが最安値です。

 

FMN1T148 1個100円ちょっとです。

輸入することになるので、配達までに4日くらいかかります。

(無くしたり破損した時のために、3、4個くらい買っておくことをオススメします)

https://www.mouser.jp/ProductDetail/ROHM-Semiconductor/FMN1T148?qs=4kLU8WoGk0uxzqu9aOXWaA%3D%3D&srsltid=AfmBOorOT4ImvEfdpgzJ3HYyrlGeJc1gsqriHyrlYzGRbMAH_LMN1nYu

www.marutsu.co.jp

 

ICが基板に乗らなさそうな場合、以下を購入し、ジャンパで繋いでください。

(念のため、3個くらい買っておくことをオススメします)

akizukidenshi.com

 

 

整流ダイオード使用

ここからは、整流ダイオード増設方法となります。

ICが固定できなくなってしまったり、ICを外すのが面倒、苦手な人向けです。

青線が追加の回路です。途切れた部分を迂回します。

 

整流ダイオードは以下2つのどちらかを使用します。

理由は順電圧(電圧降下量)が少なく、ゲームボーイが入力誤検知をしにくいからです。

akizukidenshi.com

www.sengoku.co.jp

 

CPU68とは、CPUの68番ピン(左側の上から4番目)です。

念のため、自ら回路を確認することをオススメします。

 

 

修理開始

まずはICを剥がします。

私はヒートガンで剥がしたのですが、正常なICが飛ばされるわ、付近のプラスチック

が溶けるわでいいことがないので、はんだごてではんだを溶かしながら、ピンセットやら精密マイナスドライバーで回収するのが良さそうです。

 

回収したら、無水エタノール等で綺麗にしましょう。

はんだつけの前に、しっかりとフラックスを塗り、ICを乗っけます。

位置調整をミスってはんだつけをすると、他のボタンが反応しなくなるので、気を付けましょう。

 

くっつけたら、エナメル線を用意します。私はマイナスドライバーで削りました。

テスターで導電確認し、問題なければはんだ付けをします。

 

ボタン側

念のため、エナメル線をビニールテープで固定しています。

 

IC側

IC側は線を動かしすぎると、簡単にICの端子が折れるので、気を付けましょう。

ついでですが、ICの右側の腐食はマイナスドライバーで削り、補修剤を塗っておきました。

 

で、パッと見くっついているように見えて、実はくっついていない、みたいなことがあります。私はそれで正常なボタンが反応しなくなって焦ったので、気を付けましょう。

 

はんだ付け後は、無水エタノールと綿棒でフラックスを落としましょう。

 

念のためにエナメル線を固定します。線が動いてICの足が折れたら嫌なので。


最後に組み立て、動作確認をします。

ボタンが反応したら終了です。お疲れ様でした。

 

 

そもそも別のゲームボーイの基板を使えばこんなに困らなくてよかったのでは?

ゲームボーイはどんどん高騰していき、現在はジャンクで4000円を超えることも珍しくありません。

そのため、修理方法を確立し、安価で、少しでも多く本体を残せるようにしたいと思い、今回修理をしました。

 

というのは建前で、意地っ張りで後に引けなくなっただけです。